
記事監修:藤田かつとし先生(CPDT-KA)
この記事は、動物福祉(アニマルウェルフェア)に基づいた科学的ドッグトレーニングの専門家、藤田かつとし先生にご監修いただきました。
藤田かつとし先生プロフィール
1999年、山口県萩市でトリミングサロンを開業。動物愛護活動を通じて「不幸な動物を減らすには?」という課題に向き合い、ドイツ・ベルリンへ渡航。そこで、日本とドイツにおける犬との暮らし方の違いに衝撃を受け、「叱らないトレーニング」の重要性を学ぶ。2017年に犬の保育園&トレーニング施設「Happy Wan 山口」を開設し、世界基準のドッグトレーナー資格「CPDT-KA」を取得。応用行動分析学(ABA)に基づき、叱らずに「良い行動を引き出す」トレーニングを実践し、飼い主と愛犬が楽しく暮らせる環境づくりをサポートしている。
ドッグフードの変更は、身体に大きな影響を与える大切なポイントです。特にお腹が弱い子やシニア犬のドッグフード切り替えは特に慎重に行う必要があります!アレルギーが心配な子も要注意!ここでは、安心してフードを切り替えるための方法や注意点を、わかりやすく解説します。
基本の切り替えスケジュール
急な変更はNG!約1週間かけて、徐々に新しいフードに慣れさせていくのが理想です。
切り替え期間 | 旧フード | 新フード |
---|---|---|
1〜2日目 | 75% | 25% |
3〜4日目 | 50% | 50% |
5〜6日目 | 25% | 75% |
7日目以降 | 0% | 100% |
急なドッグフード切り替えで起こる消化不良・下痢・嘔吐
新しいフードに突然変えると、体がびっくりしてしまい、以下のような症状が出ることがあります。
- 消化が追いつかず、未消化のまま便に出てしまう
- 便の匂いが強くなり、犬が「食べ物のにおい」と誤解して「食糞行動」をすることも
- 軟便・下痢・嘔吐など、胃腸トラブルにつながる可能性も
トラブルが出たときの対処法
① 元のフードに一時的に戻す
→ 体が慣れている食事に戻すことで、お腹の調子が整うことがあります。
② フードの品質を見直す
→ あまりに安価なフードには、「粗悪な原料」が使われている場合も。信頼できるメーカーを選びましょう。
③ 再チャレンジは慎重に
→ 回復後に再び切り替える場合は、「最初よりもさらにゆっくり」と進めます。たとえば初日は「1割以下」から始めましょう。
切り替え時の観察ポイント
毎日のちょっとした変化を見逃さないことが、愛犬を守るポイントです。
① 便の状態を毎日チェック
→ ゆるくないか、未消化物が混ざっていないか、形・匂いなどを確認
② 食欲や元気があるかチェック
→ 食欲がない・嘔吐・元気がないなどの異変がないか観察
③ 水分補給をしっかり
→ 特にドライフード中心の子は、水を多めに飲める環境を
知っておきたい補足情報
① 手作りフードに切り替える場合
→ 栄養バランスの偏りに注意が必要。信頼できるレシピや獣医師のアドバイスを参考に。
② 消化器が弱い子、シニア犬、病気がある子
→ 自己判断での切り替えは危険。必ず獣医師と相談してください。
迷ったときの判断基準
「下痢しているけど、絶食させるべき?」
→ 一般的には胃腸を休ませるために1日絶食させる方法を言われたりしますが、犬によってはストレスでさらに悪化することもあるので、安易に絶食するのはN G。
絶食するかどうかは、専門家の指示に従い、愛犬の性格や体力を見て判断しましょう。
「新しいフードに合っていない気がする…」
→ もし下痢・嘔吐が何度も続く、血便が出る、元気がないなどの症状が出たら、無理せず病院へ!
獣医師の診断を受けることで、安心して次のステップに進めます。
最後に|飼い主さんの「観察力」がカギ!
フードの切り替えは、愛犬の体調を崩すリスクもあるけれど、
正しく行えば健康に近づく第一歩です。
- 少しずつゆっくり切り替える
- 便と食欲をしっかり観察する
- 異変があれば無理せず元に戻す or 獣医へ
愛犬の「いつもと違う」を見逃さないことが、いちばん大切なポイントです🐾