【Lifestyle with Dogs】File2 荒川あゆみさん(mambo オーナー)|「ファッションと自由、そしてビーグルと共に」

【Lifestyle with Dogs】File2 荒川あゆみさん(mambo オーナー) Lifestyle with Dogs

山口を代表するセレクトショップ「mambo」。(@mambo_grandly)(@mambo_ys

そのオーナーであり、インフルエンサーとしても多くの女性から憧れを集めるのが、荒川あゆみさん(@mamboayumi)だ。華やかな装いと自由な生き方。その背後には、強さとしなやかさを兼ね備えた、等身大の女性としての姿がある。

そしてその日常の傍らには、15歳になるビーグル、JAMちゃんが静かに寄り添っている。

Life & Fashion|生き方とファッション観

山口を代表するセレクトショップ「mambo」

「長く続けることが目標です」と語るあゆみさん。
歯科衛生士として社会人生活をスタートさせ、28歳でセレクトショップの世界へ飛び込んだ。服の修行を積んだわけではなく、ただ「服が好き」という純粋な気持ちが出発点だった。
しかし、彼女の直感は鋭かった。トレンドに流されず、自らの感性を信じてセレクトした服は、自然体でおしゃれを楽しみたい人々に受け入れられ、mamboは30年続く店へと成長していった。
「うちじゃなくてもいいのに、わざわざ来てくれる。それが本当に嬉しいんです」
顧客との距離が近く、都会では得られない心地よさが、この店にはある。
「買い物しなくても、ちょっと寄ろうと思える場所でありたい」
そう語る彼女の言葉には、ファッションを超えた“居場所づくり”への想いが込められている。

The Stage of mambo|mamboという舞台

JAMちゃんルーム

15年前に夫と共に建てた自宅は、まるで海外の邸宅のように洗練された空間。だがその美しさは決して飾り立てたものではなく、家族や愛犬が快適に暮らせるように工夫された、温かみのある住まいだ。

夫はDIYが得意で、パントリーを改装して「JAMちゃんルーム」をつくり、犬用のドアやドッグランまで整備した。
「わんちゃんを飼うことを前提に設計したわけではないけれど、今の暮らしに合わせて自然に工夫してきたんです」
そう話す彼女の笑顔には、家もまた人生と同じように“進化し続ける場”であることを感じさせる。
mamboという店もまた、彼女の人生を映す舞台。デニムセットアップやバッグなどのオリジナル別注企画は、単なる商品開発ではなく、「この服を着て出かけたい」という顧客の未来をデザインする試みだ。

My Beagle Story|ビーグルと私

あゆみさんの人生には、いつもビーグルがいた。
中学生の時、初めて飼ったビッキー。その血筋が脈々と受け継がれ、今のJAMへとつながっている。
6匹の兄弟の中で生まれたJAMは、最も不愛想で、一匹狼のような存在だった。
「そこがいいんです。他の子たちがキャーッと寄ってくる中で、JAMだけはすみっこにいて。ちょっと人間っぽい孤高さがあって、かえって魅力的なんです」

3か月の頃に実家から迎え入れ、同じ年に誕生した娘のみなとさんと共に育った。
「JAMが娘を守ってくれるような存在でした」
犬は家族の一員であり、時に母であり、時に友達でもある。あゆみさんの語りからは、そうした確かな信頼関係が伝わってくる。

Philosophy with Dogs|人生観 × 愛犬

15歳を迎えたJAM

15歳を迎えた今、JAMは心臓病を抱えながらも、食べることを楽しみに暮らしている。
「老犬の良さは、愛おしさそのもの。恋しい存在なんです」
その言葉には、幼い頃の可愛さとは違う、時間を積み重ねたからこそ芽生える深い愛情がにじむ。

JAMとミレワン

フードは手作りにMILLET ONE ミレワンをプラス。涙やけがなくなり、犬特有の匂いも消えた。病気で前のフードを食べられなくなった時に出会ったのがミレワンだった。
「食べることが唯一の楽しみだから、健康でおいしいごはんは本当にありがたい」

JAMの存在は、あゆみさんにとって「ファッションを通じて人を喜ばせる」ことと同じくらい大切な、生きる理由のひとつになっている。

Way of Life

バイクにまたがり、習字で筆を走らせ、セレクトショップを切り盛りしながら生きる。
そのすべての傍らに、JAMがいる。
習字で掲げた言葉は「自楽平生道」。
平凡な日常を楽しみながら生きること。
それは、自由でしなやかに人生を謳歌するあゆみさんの姿そのものだ。

「人生ではじめて、やりがいを感じている」
そう語る彼女の表情には、迷いなく未来を見据える力強さがある。
ファッションと、家族と、そして愛犬と共に歩む日常。
その生き方こそ、「Lifestyle with Dogs」を体現する物語である。

Editor’s Note

20年以上mamboに通う筆者にとって、あゆみさんはいつの時代も凛として変わらず、女性として憧れるかっこいい存在だ。
服を通じておしゃれを楽しませてくれるだけでなく、流行に流されず自分の“好き”を貫く姿、その佇まいこそが私にとっての指針となっている。
これからもmamboは、あゆみさんと共に「憧れ」を感じさせてくれる大切な場所であり続けるだろう。

記事執筆:松浦奈津子

1981年、山口県岩国市錦町生まれ。山口県立大学国際学部文化学部卒業後、メディア業界へ。地域情報誌の編集長などを経たのち、古民家鑑定士1級を取得し、一般社団法人おんなたちの古民家を設立。2015年に株式会社Archisを立ち上げ、岩国市の堀江酒場と高級ヴィンテージ日本酒「夢雀」を開発し、ドバイや香港、アメリカ、中国などに販路を拡大し、世界における日本酒の地位向上を目指す。ほか、商品開発事業、商社事業、飲食事業、宿泊事業、ペット関連事業、キャンピングカーレンタル事業、事業承継事業、音楽イベント企画・プロデュース事業など幅広く展開。現在は、株式会社Archis代表取締役、一般社団法人おんなたちの古民家代表理事、企業組合アグリアートジャパン代表理事を兼任。2022年3月、山口県立大学国際文化学研究科修士課程修了。