アニマルウェルフェア時代のトレーニングは、フード選びから始まる
犬のしつけ(トレーニング)は、いま大きく変わろうとしています。 国際的に「アニマルウェルフェア」の概念が重視され、 犬の行動学や脳科学が発展したことで、“叱ってやめさせる” から “強化して学びを育てる” へ。
この変化は単なる流行ではなく、 科学的根拠に裏付けられた「犬の学び方」そのもののアップデートです。
現代のトレーニングにおいて主軸となるのがアニマルウェルフェアに配慮した人道的かつ倫理的なポジティブトレーニング(正の強化)。犬が自発的に望ましい行動を選び、その行動が“良い結果”につながることで 再びその行動をとるようになる、という学習法です。
この「良い結果」の中心にあるのが、 強化子(reinforcer)としてのフードです。
なぜアニマルウェルフェアにはフードが欠かせないのか

アニマルウェルフェアの核心は、 その動物が継続的に、心身ともに良い状態であること。
そのためには、
- 恐怖を与えない
- 痛みを使わない
- 強制で行動を抑え込まない
- 犬が自発的に学べる環境を整える
これらが前提になります。
この“環境づくり”の一部として、 フードは非常に重要な役割 を持ちます。
なぜなら、フードは単なる「ご褒美」ではなく、 犬にとっての 行動の結果=学びの方向性をつくる要素だからです。
応用行動分析学(ABA)では、フードは“学習のスイッチ”

応用行動分析学(ABA)では、 動物の行動は刺激 → 行動 → 結果(強化)という流れで変化すると説明されます。
強化として与えるフードが適切でなければ、
- 嗜好性が低いと強化子として機能しない
- 環境設定が適切でないと強化子が機能しない
- 興奮が高まりすぎて学習が成立しない(環境設定の違い)
- 食べにくくテンポが落ちる
- 栄養設計が不適切で体調が不安定になる
- 嗜好性が強すぎて依存的になる
- ストレスの度合いや食べる量によっては消化不良が起きる可能性
など、多くの問題が起きます。
逆に言えば、優れたしつけフードは、行動を安定させ、学習効率を高め、情動を整える。
これがアニマルウェルフェアの原則と完全に一致しているため、 “どんなフードで強化するか” が重要なのです。
望ましい“しつけフード”とは? 行動学にもとづく5つの条件
アニマルウェルフェアと行動学の観点から見ると、 しつけフードには次の条件が必要です。
- 即時性:噛みやすく飲み込みやすいこと。トレーニングのテンポを止めない。
- 香りの質:犬は味覚より嗅覚による嗜好性の判断。香りの質は強化子の質につながる。
- 栄養バランス(主食レベルが理想):過剰なカロリーや脂肪は学習を阻害し、健康負担にもつながる。
- 安全性・透明性:無添加・国産など、ウェルビーイングの根本。
- 日常の食事との一貫性:主食と同じ方向性のフードは、犬の体調・情緒を安定させ、学習の基盤になる。
ミレワンがプロトレーナーから支持される理由

多くの保育園・トレーナーがMILLET ONE(ミレワン)を使用するのは、 次の点が行動学とウェルフェアの観点で理にかなっているためです。
- 非膨化製法 → 興奮を上げすぎず、落ち着いた集中が続く:噛むたびに旨味が広がるが、刺激が過度ではない。
- ノンオイル → 手が汚れず、強化のタイミングが正確になる:トレーニングの質を決める「秒単位のタイミング」を狂わせない。
- 主食基準の栄養 → 与えすぎ問題が起きない:日常の食事と矛盾しないため、体調が安定しやすい。
- 乳酸菌1兆個 → 腸内環境を整え、学びやすい情動へ:食べなれないフードによる消化不良を軽減。また腸脳相関が示すように、 腸が整うとストレスが減り、落ち着きが生まれる。
- 小粒で割りやすく、どの犬種でも使いやすい:トイプードル・チワワ・ポメラニアンなど小型犬は細かく割って、 柴犬・ラブラドールなどはそのままでも使える。
これらは“偶然の特徴”ではなく、犬が落ち着いて、自発的に学ぶための環境づくりとして合理的です。
アニマルウェルフェア × 応用行動分析学 × フード
──これからの“しつけ”や”トレーニング”の中心へ
いま世界で主流となっているしつけやトレーニングは、「望ましい行動を増やす」学習法です。
叱らないことは目的ではなく、犬が安心して自分で学べることこそが最も重要。
そのためには、感情・体調・環境を整える“強化子としてのフード”が不可欠なのです。
しつけフードを選ぶという行為は、実は犬のウェルビーイングを守る選択なのです。
愛犬が自ら学びたくなる世界を、ともに。
私たちは、愛犬に「正しい行動」を押しつけているのではありません。犬が自分で考え、自分で選び、自分で学んでいける世界をつくろうとしています。
アニマルウェルフェアの本質は、 動物を甘やかすことではなく、その子が安心して“その子らしく生きられる条件を整えること”。
その条件のひとつに、私たちが手に取る一粒のフードがあります。
犬たちは、私たちが思う以上に、日々の小さな選択から世界を理解しています。そこに「安心」や「信頼」を見つけながら生きています。
だからこそ、フードは“ご褒美”ではなく、犬と私たちの未来をつなぐ大切なコミュニケーションです。
あなたと愛犬が、互いを尊重しながら、一緒に学び、一緒に成長していけますように。
そのために、一粒のフードができることは、実は、とても大きいと考えています。