【Lifestyle with Dogs】File3 野口道修 先生(のぐちどうぶつ病院 院長)|動物たちの“声なき声”をきく獣医師

Lifestyle with Dogs

山口の地で積み重ねた25年——地域の命を守り続ける物語

山口市・吉敷下東で25年以上にわたり動物医療を支え続けてきた、 のぐちどうぶつ病院 院長・野口道修(のぐち みちのぶ)先生

高度医療に対応しつつも、何より大切にしているのは “日々のケア”と“飼い主との対話”。
その姿勢が多くの信頼を生み、県外からの来院が絶えない「山口の名医」である。

そしてここには、 筆者の愛犬ロットワイラー HANAの未来を救い、 人生そのものを変えてくれた大切な物語がある。

Daily Care & Medicine|日々のケアが未来をつくる医療

のぐち動物病院

1999年にのぐち動物病院を開院し、2002年に現在地へ。

外科を得意としながらも、先生が最も大切にしているのは、

「病気を治す前に、病気にならない体をつくること」
「日々のケアと予防、そして飼い主の声に寄り添うこと」

診察室では、一頭一頭、丁寧に時間をかける。

“些細な違和感も見逃さない”──その姿勢が、多くの飼い主さんに深い安心を生んでいる。

First Encounter with HANA|パピー期に見抜いた“未来の診察”

筆者の愛犬・HANAを迎えたばかりの頃。

初診で先生は一目見て、こう言われた。

「この子、足に気になるところがありますね。」

私が気づけていなかった、ほんの小さな変化。

その瞬間、 “この先生は本物だ” と直感した。

さらに下痢が続いた際には、

「うちで調べられない項目もあるので、山口大学動物医療センターへ行きましょう」

迷いなく最善の医療へつないでくださった。信頼は、こうして積み重なっていった。

Spay Surgery|大型犬の避妊手術で感じた圧倒的な安心感

大型犬の避妊手術はリスクが高く、不安も大きい。
だが先生は、術前の説明、当日の流れ、リスク管理を丁寧に説明し、

「これから手術を開始しますね」

と術前に電話までくださった。

その細やかさは、ただ“手術が上手い”だけではない。飼い主の心に寄り添う医療がある。

Trusted Nationwide|駐車場に並ぶ県外ナンバー

病院の駐車場には市外や県外からのナンバーの車も並ぶ。
九州、広島、山陰…遠方からの来院も多い。
筆者がHANAを飼い始めたころに、待合室で市外から愛犬を連れて来ていた女性の言葉が今でも忘れられない。

「ここで治らなければ、他では治らない。」

そう語る飼い主さんの声に、技術だけでは決して得られない、野口先生が積み重ねてきた“信頼”の深さを感じずにはいられなかった。

Advanced Yet Humane|高度医療と“日々の食事”の重要性

院内にはMRI・ICUまで備え、再生医療にも積極的に取り組んでいる。

しかし先生はこう言う。

「毎日の食事こそが、健康の基盤です。」
「病気にならない体をつくることが最も大切。」

高度医療の現場にいながら、日々の“ごはん”の重要性を誰より理解している獣医師だ。

MILLET ONE|ミレワンを“食の処方箋”と語る理由

総合栄養食ドッグフード ミレワン

涙やけや皮膚の悩みを抱えるわんちゃんは多く、中には特別な処方食に頼らざるを得ない子もいる。

そんな現場を知る先生は、ミレワンについてこう語る。

「ミレワンは、添加物を極力使わず、愛犬に 毎日の食事として安心して与えられる総合栄養食です。」

水に溶けやすく消化に配慮した原材料、1兆個の乳酸菌── 先生はこれを、“涙やけの根本改善をめざした、食の処方箋”
と表現する。

「処方食だけに頼らず、国産の栄養たっぷりな“食”で体質を整えられるのは、飼い主様の安心につながります。」

涙やけ対策は、「食」を見直すところから始まる。 その第一歩に、先生はミレワンをすすめている。

Doctor’s Personality|“休みのない日々”を支える豊かな趣味

のぐち動物病院 野口院長

野口先生の魅力は、医師としての厳密さだけではない。
朝から晩まで診療が続き、休みもほとんどない中で、先生にはこんな素敵な一面がある。

  • ピアノで心を整える
  • 絵を描き、自分と向き合う
  • バイクで風を全身で感じる
  • 釣りで自然に呼吸を合わせる

忙しい毎日の合間に向き合うこれらの時間が、先生の“研ぎ澄まされた観察眼”を支え、
動物にも飼い主さんにも寄り添う“心の余白”をつくっている。

People Who Support|奥様とスタッフの“やさしさの循環”

病院全体には、特別な“あたたかさ”が流れている。
保育士としての経験を持つ奥様の深い気づき、ていねいで優しいスタッフたち。

先生・奥様・スタッフ全員が生み出す “やさしさの循環” こそ、この病院の大きな魅力だ。

Editor’s Note|編集後記

HANAのパピー期、まだ小さな体に起きていた足の異変を見抜いてくださったこと。
下痢の原因を突き止めるために迷わず山大へつないでくださったこと。
大型犬の避妊手術では、丁寧な説明と術前・術後の電話。その一つひとつが、今のHANAの健康につながっている。

そして何より、HANAは野口先生が大好きだ。

病院に行く日になると嬉しそうにしっぽを振り、車から降りる瞬間から“会いにいく足取り”になる。

手術後の診察の日、先生が少し照れながらこう言った。

「手術のあとって、わんちゃんに嫌われてしまうことがあるんですよね…」

でも診察室に入ったHANAは、迷いなく先生の前に走っていき、しっぽをぶんぶん振って、「先生、だいすき!」と体全体で伝えていた。
嬉しそうに笑う先生の姿が、本当にかわいらしくて忘れられない。

また、初めてロットワイラーのHANAを病院へ連れて行った日、先生は真剣な表情でこうアドバイスをしてくださった。

「とても素晴らしい犬種だから、しっかり保育園でトレーニングしてあげてくださいね。」

その言葉に背中を押され、犬の保育園に通い、今ではHANAが“穏やかで優しい良い子”に育っていることを、先生は自分のことのように喜んでくれる。

取材中、先生はこんな言葉も口にした。

「うちの犬は今はいないけれど、次に迎える時はミレワンを使いますよ。」

つくり手として涙が出るほど嬉しい瞬間だった。

野口先生は、 犬の保育園 ハッピーランドハレルヤ、 山口県で立ち上げた愛犬イベント「WONLOVE(ワンラブ)」、 そして“山口から広げるアニマルウェルフェア”の取り組みを 心から応援してくださっている。

“地域みんなで良くなる未来をつくりたい。” その優しい願いに触れるたびに、 私自身の世界も、HANAとの暮らしも、 より豊かに広がっていく。

野口先生に出会えたことは、 私にとっても、HANAにとっても、 そしてミレワンにとっても、 かけがえのない宝物です。

松浦奈津子とロットワイラー

Lifestyle with Dogs 編集記者 松浦奈津子

松浦奈津子 プロフィール

1981年、山口県岩国市錦町生まれ。 山口県立大学国際学部文化学部卒業後、メディア業界へ。 地域情報誌編集長、古民家鑑定士1級取得、一般社団法人おんなたちの古民家設立。 2015年より株式会社Archis代表取締役。長期熟成型ヴィンテージ日本酒「夢雀」、ペット事業ほか多岐にわたる事業を展開。2022年3月、山口県立大学大学院 国際文化学研究科修士課程修了。愛犬はロットワイラー・HANA(2025年11月24日で3歳になる女の子)。