ラングラーとHANA
― JEEPが広げてくれた、大型犬との暮らし ―
犬を家族に迎えたことで、私の車は変わった。
車が変わったことで、行ける場所が増えた。
「大型犬を迎えるなら、まず車を変えてください」
HANAを迎えることが決まった頃、犬の保育園の園長であるドッグトレーナーから、そう言われた。
その頃の私は普通車に乗っていた。
正直、犬を迎えることと車を変えることが、そこまで深くつながっているとは思っていなかった。
でも、これから家族になるのはロットワイラー。
身体は大きくなる。
一緒に散歩にも行きたい。
山にも海にも行きたい。
旅行だってしたい。
考えてみれば、HANAとの暮らしに「車」は欠かせなかった。
- 初めて自分で買った車が、ラングラーだった。
- 「ラングラーからロットワイラーが降りてきたら、ただもんじゃないですね(笑)」
- 最初は「自由に乗せてあげること」が幸せだと思っていた。
- クレートは「閉じ込める場所」ではなかった。
- ラングラーはかっこいい。でも、車高が高い。
- まさか、自分が先にクレートへ入ることになるとは(笑)
- そして大活躍したのが、HANAの大好物「ミレワン」。
- そして、まさかのラングラー2台目。
- HANAも、JEEPが「自分の車」だと知っている。
- ただし、一つだけ欠点がある(笑)。
- 泥だらけになったって、気にならない。
- 犬を迎えたら、私の行ける場所が増えた。
- 世界旅行は、50代から。
- この経験を、今度は誰かに伝えたい。
- Lifestyle with Dogs 編集記者 松浦奈津子
初めて自分で買った車が、ラングラーだった。
車を変える。
そう決めたとき、せっかくなら、ただ「大型犬が乗れる車」を選ぶのではなく、
自分が本当にかっこいいと思える車に乗りたい。
そう思った。
選んだのは、黒のJEEP ラングラー。
実はラングラーは、私が初めて自分個人で買った車でもある。
そして、その購入にはちょっとした覚悟が必要だった。
私は親友とずっと、
「40代になったら、一緒に世界旅行をしよう!」
と話しながら、そのために10年ほどコツコツとお金を貯めていた。
HANAを迎えることになり、車を変えなければならなくなったとき、親友に言った。
「ロットワイラーが来たら車を変えないといけなくて……ごめん! 世界旅行のお金、使うね」
すると、
「えーーー!(笑) うける(笑)」
笑って許してくれた。
そうして世界旅行のために貯めていたお金を頭金にして、私は人生で初めて、自分の車を買った。
もちろん、ナンバープレートにも少しこだわった。
私の名前は、奈津子。
だから、
「725」=なつこ。
ちなみに会社の車は、HANAの「87」。
こういうところは完全に自己満足だけど(笑)、結構気に入っている。
「ラングラーからロットワイラーが降りてきたら、ただもんじゃないですね(笑)」


車を買ったあと、私に「まず車を変えてください」と言った園長に報告した。
「車、変えました! JEEPのラングラーにしました!」
すると園長は笑いながら、
「ラングラーからロットワイラーが降りてきたら、ただもんじゃないですね(笑)」
と言った。
その頃の私は、これから始まる大型犬との暮らしをどうすればいいのか、そればかりで必死だったので、
「確かに(笑)」
という感じだった。
私は身長153cm。
初めてラングラーを見たときは、
「大きいな。私に毎日運転できるかな」
とも思った。
でも、乗ってみると運転しやすかった。
そして、やっぱりかっこいい。
大きくて、無骨で、存在感がある。
私は、こういう車が好きなんだと思う。
誰かにどう見られるかではなく、自分がハンドルを握ったときに気分が上がる車。
そして、そのラングラーから大きなロットワイラーのHANAが降りてくる。
いつの間にか、それが私たちの日常になった。
最初は「自由に乗せてあげること」が幸せだと思っていた。
ただ、最初から今のような乗せ方をしていたわけではない。
HANAを迎えたばかりの頃、私はHANAを助手席に乗せていた。
その方が近くにいられるし、HANAも嬉しいだろうと思っていたから。
ところが、シートを噛む。
そして時には、運転している私の方へ来ようとする。
運転中にヒヤッとしたこともあった。
今考えると、本当に怖い。
私は、
「自由にしてあげること=犬にとって幸せ」
だと思っていた。
でも、それは違った。
クレートは「閉じ込める場所」ではなかった。

ドッグトレーナーから教えてもらったのが、クレートで移動することの大切さだった。
きちんとクレートに慣れた犬にとって、そこは閉じ込められる場所ではない。
安心して過ごせる、自分の場所になる。
今、ラングラーの後ろにはHANAの大きなクレートがある。
大型犬のHANAが中で立つことができる。
座ることもできる。
身体の向きを変えることもできる。
そして疲れたら、横になって眠ることもできる。
長距離の移動でも、HANAは自分のスペースでゆっくり過ごしている。
でも、ここでも最初の私は勘違いをしていた。
せっかくドライブするなら、
「外の景色が見えた方が、HANAも楽しいだろう」
と思っていた。
だから最初は、クレートの周りを覆わず、外がよく見える状態にしていた。
ところがHANAは、外のいろいろなものが気になるのか、吠れたり、なかなか落ち着かなかったりすることがあった。
そんなとき、ドッグトレーナーから教えてもらった。
犬が車の中で落ち着いて過ごすためには、周囲から入ってくる刺激を減らしてあげることも大切だということ。
そこで布を用意して、クレートの後ろと横を覆うことにした。
ただ、前だけは開けている。
HANAから私の姿が見えるように。
そして前方の景色も少し見えるように。
すると、本当に落ち着いた。
クレートの中でゆったり過ごすようになった。
私も運転に集中できる。
HANAも安心して過ごせる。
ここでも私は一つ教えてもらった。
人間が「犬にとって楽しいだろう」と思うことと、犬が本当に安心できる環境は、必ずしも同じではない。
大切なのは、人間の感覚だけで決めるのではなく、犬の様子を見ながら、その子にとって心地よい環境をつくってあげること。
犬とのカーライフは、自由であることと同じくらい、
安心して過ごせること、安全であることが大切なんだ
と知った。
ラングラーはかっこいい。でも、車高が高い。
ラングラーを選んだとき、一つ気になったことがあった。
車高の高さだった。
大型犬のHANAなら、ジャンプして乗り降りすることはできるかもしれない。
でも、毎日のように高い場所から飛び降りることを考えると、
「足に負担がかからないだろうか」
と気になった。
HANAとできるだけ長く、元気に一緒に歩きたい。
そう思って調べていくと、海外では大型犬が車へ乗り降りするときに、スロープを使っている例をたくさん見つけた。
「これだ!」
当時、日本では私の周りで使っている人をほとんど見たことがなかったけれど、そんなことは関係なかった。
私にとっては、HANAが一番大事。
ジャンプできるかどうかではなく、できるだけ身体に負担をかけずに乗り降りさせてあげたい。
早速、犬用のスロープを購入した。
まさか、自分が先にクレートへ入ることになるとは(笑)
ところが。
スロープを置いたからといって、HANAがすぐに使ってくれるわけではなかった。
「これを上って、ここから車に乗るんだよ」
と言っても、もちろん最初は分からない。
どうしたら伝わるんだろう。
そこで私は、まさかの、
自分でスロープを上り、そのままクレートの中へ入ってみた(笑)。
「ほら、こうやって入るんだよ!」
私なりのお手本だった。
今思い出しても笑ってしまうけれど、そのくらい必死だった。
犬の保育園でも、ドッグトレーナーがスロープを使った乗り降りを練習してくれた。
そして大活躍したのが、HANAの大好物「ミレワン」。

練習で大活躍したものがある。
HANAの大好物、ミレワンだ。

スロープの先にあるクレートへ、ミレワンを使いながら誘導する。

無理やり引っ張るのではなく、
「ここに行けば、いいことがある」
とHANA自身に覚えてもらう。

少しずつ練習していくうちに、HANAはスロープを使って自然に車へ乗れるようになった。

今では、ミレワンをクレートに入れると、
スロープを上って、さっとクレートへ。
降りるときもスロープを使う。

あれだけ私がクレートにまで入ってお手本を見せていたのは何だったんだろう(笑)。
でも、それでいい。

HANAが安全に、安心して乗り降りできるようになったことが一番うれしい。

そして、まさかのラングラー2台目。
最初に選んだのは、黒のラングラーだった。
黒いラングラーから、黒いロットワイラーのHANAが降りてくる。
確かに、なかなかの迫力(笑)。
でも私は、そういうかっこよさが好きだった。
そして2026年3月。
黒のラングラーから、今度は白のラングラーへ乗り換えた。
まさかの、ラングラー2台目。
一台目を買ったときには、自分が続けてラングラーに乗ることになるなんて想像もしていなかった。
2台目は、あえて白。
ラングラーの無骨なかっこよさはそのままだけれど、白になると少し柔らかく、女性らしい雰囲気もあって、私はとても気に入っている。
身長153cmの私が大きな白いラングラーを運転して、その後ろには大きなHANAが乗っている。
この組み合わせも、今ではすっかり私たちらしくなった。

HANAも、JEEPが「自分の車」だと知っている。
面白いのが、HANA自身もJEEPを「自分が乗る車」だと分かっていること。
車で散歩に出かけて、たくさん歩いて。
散歩が終わると、HANAはちゃんとJEEPへ戻っていく。
教えたわけではない。
でも、いつの間にか分かっている。
その姿を見るたび、
「HANAもこの車が好きなんだろうな」
と思う。
ラングラーの後ろには、大きなクレート。
乗り降りにはスロープ。
クレートはしっかり固定する。
後ろと横は布で覆い、HANAが落ち着いて過ごせる空間をつくる。
そして、安心してクレートへ入るための大好きなミレワン。
一つひとつは特別なことではない。
でも、
「HANAにとって何が一番いいだろう」
と考え続けた結果、今のスタイルになった。
ただし、一つだけ欠点がある(笑)。
ここまでラングラーがHANAとの暮らしにフィットしていると書いてきたけれど、一つだけ困ることもある。
それは、
人がほとんど乗れない(笑)。
ラングラーの後ろは、HANAの大きなクレートがほぼ専用スペースになっている。
だから普段のわが家のラングラーは、実質、
私+もう一人+HANA。
人間だけで考えると、私以外に乗れるのは最大一人(笑)。
もちろんクレートを降ろせば人も乗れる。
でも、HANAとの散歩やお出かけは日常なので、基本的にクレートは積んだまま。
「乗せて!」
と言われても、
「ごめん、HANAのクレートがあるから一人しか乗れない(笑)」
となる。
完全にHANA仕様のラングラーだ。
でも、不思議と不便だとはあまり思っていない。
人をたくさん乗せるためのラングラーではなく、
HANAと私が一緒に出かけるためのラングラー。
今の私たちには、この使い方がちょうどいい。
泥だらけになったって、気にならない。
HANAとの散歩では、きれいな道ばかり歩くわけではない。
泥だらけになることもある。
大きな木や石を見つけて、嬉しそうに持ってくることもある。
そんなときも、今は、
「まあ、いっか(笑)」
と思える。
HANAには、ラングラーの後ろに自分のクレートがある。
だから、泥だらけの道だって思い切り歩ける。
これも、実際に大型犬と暮らしてみて初めて分かったことだった。
犬を迎えたら、私の行ける場所が増えた。
犬を迎えたら、生活に制約が増える。
以前は、どこかそんなイメージを持っていたのかもしれない。
でも、HANAとの暮らしは逆だった。
山へ行く。
海へ行く。
遠くまでドライブする。
HANAがいるから行くようになった場所が、たくさんある。
そして、その隣にはいつもラングラーがある。
犬を家族に迎えたことで、車が変わった。
車が変わったことで、行ける場所が増えた。
そして、私自身の暮らしも変わった。

世界旅行は、50代から。
ちなみに。
世界旅行は、諦めていない(笑)。
HANAとの暮らしを始めるために一度使ってしまったけれど、またちゃんとお金を貯めて、
今度は50代から、親友と世界を旅したい。
そう思っている。
世界旅行のために10年貯めていたお金で買った、一台の黒いラングラー。
あのときは「旅行のお金を使っちゃった」と思っていた。
でも振り返ってみると、そのラングラーにHANAを乗せて、私はそれまで知らなかった場所へたくさん出かけるようになった。
山へ。
海へ。
遠くの街へ。
世界旅行のために貯めていたお金で買ったラングラーが、先に私とHANAの世界を広げてくれた。
そう考えると、これも悪くない。
世界旅行は、もう少し先のお楽しみ。
それまでは、HANAとラングラーで、まだ知らない景色をたくさん見に行こうと思う。
この経験を、今度は誰かに伝えたい。
HANAを迎えたときの私は、
犬を車にどう乗せればいいのか。
クレートをどう使えばいいのか。
車高の高い車から、どう乗り降りさせればいいのか。
車の中で、どうすれば落ち着いて過ごしてもらえるのか。
何も知らなかった。
一つずつ調べて、ドッグトレーナーに教えてもらい、HANAと一緒に練習してきた。
だから今度は、この経験を誰かに伝えられたらと思う。
2026年11月29日(日)。
ジープ山口中央で、
「JEEP × ミレワン DOG LIFE DAY」
を開催する。
この日は、わんちゃんも一緒にJEEPのショールームへ。

実際にHANAとスロープを使って車へ乗り、クレートへ入る様子も見ていただく予定だ。
犬の保育園「ハッピーランド ハレルヤ」のドッグトレーナーから、愛犬との安全な車での移動や、クレートへの誘導についてもお伝えする。
JEEPと愛犬の写真を撮ったり、ゆっくり車を見たり。
小型犬から大型犬まで参加できる。
そして、今はまだ犬と暮らしていないけれど、これから迎えたいという方にも、ぜひ来てほしい。
犬を迎える準備は、フードやベッドを用意することだけではない。
どんなふうに一緒に移動するのか。
どこへ一緒に行きたいのか。
どんな暮らしをしたいのか。
そこまで考えてみると、犬との暮らしはもっと面白くなる。
HANAがいなければ、私はラングラーに乗っていなかった。
そしてラングラーがなければ、HANAとの今の暮らしも少し違っていたと思う。
黒のラングラーから始まって、今は白のラングラー。
気づけば、まさかの2台目だ。
これからもHANAを乗せて、
山へ。
海へ。
まだ見たことのない場所へ。
愛犬と、どこへ行こう。
ラングラーとHANA。
私にとってこの一台は、ただの車ではない。
HANAとの世界を広げてくれた、大切な相棒だ。

Lifestyle with Dogs 編集記者 松浦奈津子
松浦奈津子 プロフィール
山口県岩国市錦町生まれ。
山口県立大学国際文化学部卒業後、メディア業界へ。地域情報誌の編集長を経て、2015年より株式会社Archis代表取締役。
長期熟成型ヴィンテージ日本酒「夢雀」、アニマルウェルフェアの考え方から生まれたFamily Food®「ミレワン」、犬の保育園事業など、“地方から世界へ”をテーマに活動している。
2022年、山口県立大学大学院 国際文化学研究科修士課程修了。
犬が苦手だったが、ロットワイラーHANAとの出会いをきっかけに人生が変化。現在は、超大型犬との暮らしや、犬と人との共生について発信している。
愛犬はロットワイラー・HANA(3歳・女の子)。愛車はJeepのWrangler(ラングラー)。