【ドッグトレーナー監修】犬はなぜ吠えるのか。それは「性格」や「癖」だけではありません【犬のしつけ新常識 Vol.28】

犬のしつけ新常識

インターホンが鳴った瞬間、玄関に向かって吠える。
留守番中、外や隣の物音に反応して吠え続ける。
おやつが欲しくて、こちらの顔を見ながら吠える。

うちの子は、よく吠える性格だから……
そう感じている飼い主さんも多いのではないでしょうか。

行動科学の視点から見ると、犬の「吠え」には、その行動が起きる理由=「機能」があります。

つまり、犬にとって「吠えることで何かが起きる・変わる」という経験が、その行動につながっていることがあります。

藤田かつとし先生

記事監修:藤田かつとし先生(CPDT-KA)

この記事は、動物福祉(アニマルウェルフェア)に基づいた科学的ドッグトレーニングの専門家、藤田かつとし先生にご監修いただきました。

藤田かつとし先生プロフィール

1999年、山口県萩市でトリミングサロンを開業。動物愛護活動を通じて「不幸な動物を減らすには?」という課題に向き合い、ドイツ・ベルリンへ渡航。そこで、日本とドイツにおける犬との暮らし方の違いに衝撃を受け、「叱らないトレーニング」の重要性を学ぶ。2017年に犬の保育園&トレーニング施設「Happy Wan 山口」開設。世界基準のドッグトレーナー資格「CPDT-KA」を取得。応用行動分析学(ABA)に基づき、叱らずに「良い行動を引き出す」指導を実践。2025年より「犬の保育園 ハッピーランドハレルヤ」園長に就任。科学的根拠に基づいたアプローチで、飼い主と愛犬が心から楽しみ、幸せを感じられる環境づくりをリードしている。

◽️同じ「吠える」でも、理由はさまざま

【要求としての吠え】
「遊んでほしい」
「ごはんが欲しい」
「ドアを開けてほしい」

過去に「吠えたら望むものが手に入った」という経験があると、要求を伝える方法として吠えることがあります。

【警戒や回避としての吠え】
来客やインターホン、外を通る人や犬などに吠える場合は、「近づいてほしくない」「距離を取りたい」という気持ちが背景にあることも。

吠えたあとに相手が離れる経験が繰り返されると、「吠えれば離れてくれる」と学習し、行動が続きやすくなることがあります。

【退屈や刺激不足からの吠え】
留守番中などに長く吠え続ける場合は、単調な環境の中で、活動や刺激が不足している可能性も考えられます。

【不調や痛みのサイン】
急に吠えることが増えた場合は、体調の変化や痛みが隠れていることもあります。
行動面への対応を考える前に、まずは動物病院で確認しておくと安心です。

このように、見た目は同じ「吠える」という行動でも、その理由が違えば必要な対応も変わります。

◽️「叱れば止まる」が、そう単純ではない理由

大きな声で叱ると、その場では吠えるのをやめることがあります。

でも、吠えている根本的な理由が変わっていなければ、同じ状況になったときに、再び吠える可能性があります。

また、叱るだけでは
では、この場面でどうすればいいの?
ということまでは犬に伝えられません。

さらに、吠える対象や状況と「叱られた」という嫌な経験が結びつくことで、その対象に対してさらに苦手意識が強くなったり、その場所自体を嫌いになったりすることもあります。

◽️では、どう向き合えばいい?

大切なのは、まず吠えを止めようとするのではなく、

「なぜ、この子は今、吠えているのだろう?」

と観察することです。

✔ どんな場面で吠え始める?
✔ 吠えたあと、犬にとって何が起きている?

この2つを観察すると、要求なのか、警戒なのか、退屈なのか、その背景が少しずつ見えてきます。

警戒しているなら、対象との距離や環境を調整する。
要求吠えなら、応じるタイミングを見直す。
退屈が背景にあるなら、活動や刺激の機会を増やす。

このように「なぜ吠えているのか」に合わせて環境や接し方を変えていくことが、ただ叱って止めようとするよりも、解決への近道になることがあります。

◽️吠えには、理由があります

犬の吠えは、「困っている」「伝えたい」「何とかしたい」という気持ちから生まれていることがあります。

この子は吠える性格だから」と片付ける前に、

どんな場面で?
何をきっかけに?
吠えたあと何が起きている?

そんな視点で、愛犬の行動を一度見つめてみませんか。

吠え方やその理由は、一頭一頭違います。
うちの子の場合はどうなんだろう?」と気になる方には、個別相談もご用意しています。

お気軽にご相談下さい。


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